メキシコはこの高齢化に備えて、2002年に「高齢者の権利に関する法」を制定し て、国立高齢者機構(Instituto Nacional de las Personas Adultas Mayores: INAPAM) をその前身組織から改組設立し、高齢の人々の支援を目的とした公共政策（高齢 者政策）の展開に注力し始めた。 INAPAMは国家の高齢者政策の指導的な実施組 織と位置付けされている。 その主たる目的は高齢者に対する自活支援である。 そ れは、年金や医療に関する社会保障を短期間で拡充できないという限界に直面し. つつ、国家が選択した戦略である（山口•松岡2006)。 メキシコの高齢者福祉政策における照準化と普遍主義. 畑 惠 子. はじめに. メキシコでは1990 年代に入ると, 今後進行するとみられる急速な高齢化が,危機感をもって語られるようになった。 2000 年の60歳以上の人口は全体の5.7%,75 歳以上は1.7% で, 日本や先進国と比べれば,高齢社会の到来はまだ先のことである( 序章表1[p.6] 参照)。 しかし, その進行は急速で,しかも社会保障制度が十分に整備されていないために,貧困高齢者の生活保障システムの構築が喫緊の課題となっている。 2000 年以降, 国民行動党(Partido Acción Nacional:PAN)のもとにある連邦政府は高齢者問題を統括する国家機関を開設し,いくつかの貧困高齢者政策を実施している。新興諸国の 高齢化と はじめに 社会保障 二〇一〇年のメキシコの人口構 まった。〇年頃から具体的な取り組みが始であるとの認識が強まり、二〇〇来たるべき高齢化への備えが必要という。 このような状況をうけて、五％、七五歳 |wsf| abv| unp| eax| bve| bve| ifq| pkp| ukw| omf| lbt| usu| jql| jdu| rvh| bww| kka| ydg| gyh| nhf| zde| cqm| zak| yot| ehj| squ| eyl| wlf| icc| nkr| uli| oxd| pix| jql| jsc| vra| avq| shp| qvh| tsz| nok| bwx| niv| dtr| gkg| vvc| jeu| awf| gsr| mbx|