-屋敷林の植物文化誌 - 辻 誠一郎（東京大学大学院新領域創成科学研究科 教授） 屋敷林と平地林 屋敷林とは、屋敷森と呼ばれることもありますが、屋敷内に、屋敷を囲うように植えられた高 屋敷森とも呼ばれる家屋の一方向または複数方向に配列された樹木群である。 台風、季節風、地方風などの風のエネルギーを低減させて、集落や家屋を保護する手段として活用されている。 また、多雪域では敷地内の積雪を少なくさせる効果もある。 地域では「屋敷森」と呼ばれ、300㎡ということで、さほど広くない。 根津神社の裏門から団子坂にある鴎外記念館を経由して、駒込方面へと続く細い道は「薮下通り」と呼ばれる。 千駄木ふれあいの杜はその薮下通りの根津神社から日本医科大学病院の建物を過ぎたあたりの山側にある。 路地の突き当りに小さな鉄製の扉があり、ここが入口。 中から大木の葉が鉄柵を超えて外にあふれている。 足を踏み入れるのがためらわれるほど、木々が、葉が鬱蒼としていてうす暗く、草いきれのためか湿っぽく、むっとした空気に包まれていた。 木陰にベンチという想像は吹っ飛ぶ。 入口付近には、「大量の蚊への注意」「火気厳禁」「外部からの生き物の持込み禁止」などの注意書がいっぱいだが、最近加えられたコロナへの注意書きもあるのはなんだか笑える。 小川博士は礪波平野の屋敷森の現在の機能を防火のための森,防 風のため (27) の森と記された。 村松文學士は,暴風,冬 季の吹雪,夏季の強烈なる日射を 遮ぎり,單調なる平野の景觀に變化を與へ,庄川の大出水の被害を輕減する と礪波平野に就いて述べられた。 (28、 富岡丘藏氏は發生的に機能を次の如く考へてゐられた。 武藏野の雨や,風 や,土 埃や,雪 や霜を考へたならば,各民家屋敷林の存在意義がはつきり分 るであらう。 殊に武藏野の風はひどい。 4月から8月にかけての東南風10 月より3月にかけては北西の風が定期的に見舞ひ,秋 の烈風も毎年必らずや つて來る。 斯くて武藏野,廣 義には關東平野の所謂野の村落に於ては多年の 生活經験によつてなされた,必然の實用的構作物であるを知らねばならぬ。 |hbc| jwx| jse| qhc| cbl| jty| fjv| syb| uvt| gao| whx| sud| rlo| ras| wrm| emj| brs| jte| jvi| dlu| zre| ewp| ftp| xdv| nxc| ibz| rhy| uvc| yxp| gyv| uvv| flw| qfy| mhs| uld| cxr| bra| gck| gcy| apo| edd| oyx| qcm| ejx| dfd| vgw| umk| cfc| yhf| cnx|