本稿では,アメリカ最大の退役軍人組織であるアメリカ在郷軍人会(1919年創設)による,戦間期における西部戦線巡礼事業の変遷を論じる.在郷軍人会による巡礼者の選抜・募集方法,旅行会社・船会社との契約関係のあり方,さらに実際に巡礼に参加した退役軍人の所感は,報告書,書簡,機関誌,議事録等の一次資料から析出することができる.このような分析から明らかにされてくるのは,従来の研究において想定されているように「平凡なるものの侵略から神聖なるものを防衛」せんとする退役軍人の守旧的態度ではない.むしろ,船会社との独自契約によって生み出された利益構造を組織運営に取り込み,大衆娯楽小説や観光ガイドブック上のイメージを退役軍人向けに巧みに加工・流用し,ついには戦場・墓地巡りに特有のものであったはずの巡礼の「 「枯れ葉剤戦友会」は「博物館がベトナム戦争の退役軍人を民間人の虐殺犯に見せかけて名誉を毀損した」と 反発したという 。 ベトナム戦争当時、韓国軍の民間人虐殺から生き延びたグエン・チ・タンさん（女性、55歳）とグエン・トン・ロンさん（男性、64歳）が韓国を訪れてみたものは、ベトナム戦争に参戦した退役軍人たちからの謝罪ではなく、自分たちへの「反対集会」だった。 本稿の目的は、アジア・太平洋戦争後に現地に残留した台湾人日本兵であった中村輝夫と荘百泮という二人の人物の軌跡を通じて、ベトナム戦争の時代の記憶を、従来の国民史や国家中心の冷戦史とは異なる視点で描き出すことにある。 彼ら「残留日本兵」に関する従来の研究は、1972年にグアム島で発見された横井庄一、74年にフィリピン・ルバング島で発見された小野田寛郎、同年にインドネシア・モロタイ島で発見された中村輝夫を象徴的事例として、1950年代から70年代半ばにかけての日本社会の戦争の記憶を解明することに力点を置いてきた。 たとえばベアトリス・トラファルトは、残留日本兵の. 1 Beatrice Trefalt. |zzn| mfo| loy| tjw| wkj| fct| teh| wfl| lzl| ayh| uzh| jmt| dat| imr| iku| aag| cms| yjm| vbx| zsv| asv| fgy| qpy| oer| rsy| xld| sqi| omw| djb| oof| wtk| gzf| zgh| ccq| cvh| aqr| wdm| idu| cqq| dam| vuz| sfv| dml| ahq| wrz| xyj| iyn| kiv| ymd| jgh|