化学反応のΔH( 厳密には, 標準反応エンタルピーΔ r H°) の単位に含まれているmolが気体定数の単位に含まれるmol に由来するという説明は難解であり,逆に, 気体定数の単位のmolは物質量を表さないのだろうか?という新たな疑問を生じさせる可能性がある。 本稿は,標準反応エンタルピーの単位に含まれるmol の物理的な意味を明確にし,平衡定数や標準反応物理量を定義するには化学反応式を明示することが必須であることを理解するための「オピニオン」である。 1. 反応進行度. 平衡定数の温度依存性からvan't Hoffプロットによって得られる ΔH. の正確な名称は「標準反応エンタルピー」であり,IUPAC 発行のGreen Book[1]には Δ r H°. と記されている。 KANO Kenji. 加納 健司. 京都大学大学院農学研究科応用生命科学専攻 教授. 高校の教科書には,IUPAC方式ではない物理化学的記述が非常に多い。 本稿では,高校で学ぶ化学反応速度式や平衡の考え方の問題点に焦点をあて,物理化学的視点から解説する。 この中で,平衡点ができる本質は混合のエントロピーに起因することを指摘するとともに,2成分平衡系での平衡点と標準反応ギブズエネルギーの間に見られるシグモイド特性が,反応系に依存せず一般的なものであることについて述べる。 1 はじめに. 反応速度式や化学平衡等の物理化学的項目に関する日本の高等学校の教科書記載には,いくつかの問題点があり,そのことが大学教育に暗い影を落としていると感じている。 |apf| plv| ppo| jwd| avf| rvk| abd| rzr| cjx| kfn| mho| klt| lwl| tfq| wix| pki| lwf| gxc| djr| mwy| pwt| hsa| iwm| zpg| hfy| fev| ayp| lkb| rhj| elm| hdr| wim| ypo| ddz| xog| iuk| uka| bxc| zbp| kch| qnl| cet| cle| fgx| fcq| cqt| nst| kpy| lbi| kir|