指紋 押捺 拒否 事件
(最判平成7年12月15日) 事件番号 平成2 (あ)848 アメリカ国籍を有するXは、 新規で来日し外国人登録の申請をした際に、 外国人登録原簿、登録証明書、 指紋原紙に指紋押捺しなかったため、 外国人登録法に違反するものとして起訴されました。 Xは指紋押捺制度は 憲法13条に違反すると主張して、争いました。 第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。 生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、 公共の福祉に反しない限り、 立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。 最高裁は、憲法13条が保障する 個人の私生活上の自由のひとつとして、 何人(なんぴと)もみだりに 指紋の押捺を強制されない自由を有し、 その保障は在留外国人にも及ぶ としました。
事案 日系米国人Xが、指紋を押さなかったために外国人登録に違反したとして起訴された。 争点・結論 争点 憲法13条によって、指紋押捺を強制されない自由が保障されているか。 結論 指紋押捺を強制されない自由は、憲法13条によって保障される。 指紋は個人の私生活上の自由と密接な関連を持ち、その中には指紋押捺を強制されない自由が含まれることから、憲法13条によってこの自由が保障されている。 判旨 指紋 は、指先の紋様であり、それ自体では個人の私生活や人格、思想、信条、良心等個人の内心に関する情報となるものではないが、性質上万人不同性、終生不変性をもつので、 採取された指紋の利用方法次第では個人の私生活あるいはプライバシーが侵害される危険性がある 。
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